厚生労働省が2019年度から始めた介護事業所の優良認証制度は、今ではさまざまな自治体で実施されています。
例えば、京都府で行われている「きょうと福祉人材育成認証制度」は、この有料認証制度のモデルとなったもので、2013年に始まりました。認定基準は大きく分けると「新入社員育成体制」「資格取得の支援などのキャリアパスや人材育成」「休暇取得や仕事と家庭の両立がしやすい職場環境」「社会貢献や法令の遵守」の4つから成り、すべての基準をクリアすると認証を受けることができます。また、より基準を厳しくした上級認証もあります。
また、青森県では介護業界のための優秀な人材の育成や確保、また質の高い介護サービスの提供のために、2016年度から「青森県介護サービス事業所認証評価制度」を始めています。判定基準は「介護職員の処遇改善」「人材育成」「地域との交流と法令の遵守」「介護サービスの質の向上」の4つが設けられ、評価することで認証を行っています。青森県では保育や障害福祉など他の分野に対する優良認証制度もあります。
神奈川県で行われているのは、「有料介護サービス事業所『かながわ認証』」です。介護サービスの質の高さや、人材育成のための環境の整備、職員の処遇改善などの基準を満たした事業所を認証し、「かながわ認証」の認定証を授与しています。また、明確な成果を達成した事業所を表彰する「かながわベスト介護セレクト20」という制度も設けており、1事業所に対して100万円の奨励金が授与されます。